夏休みの自由研究にトリックアートを描いてみようと思っても、ちょっと難しそうに感じますよね。
ですが、人間の立体視の方法を紐解いていくと、実は簡単にトリックアートが描けるようになるんです!
夏休みの自由研究にも使えるように、立体視についての話と合わせて、トリックアートの描き方をご紹介します。
目次
人間はどうやってものを「立体的」に見ているの?
ものが立体的に見えるのは、影があるからであったり、もの同士の重なりがあるからであったりと、いろいろなところを判断しているからです。
これらを利用すると、平面上にあたかも立体があるかのような絵を描くことができます。
両眼立体視
右目と左目は距離がありますよね。この離れた右目と左目でどのように見え方に差があるかで立体的にものを把握しています。
運動視差立体視
体を動かすと視野も動きます。この動きによって空間やものの立体感を把握しています。
空気遠近法
遠くの山々は青っぽく見えますよね。遠くのものは少しずつ大気の色に近づいていきます。
肌理勾配
同じテクスチャの場合、遠くにいくほどきめが細かく見えます。水面が風で揺れているとき、遠くの水面ほど細かい波に見えます。
焦点調節
焦点距離に応じてものが鮮明に見えることで立体的に見えているのではないかということです。
線遠近法
遠くのものは消失点に向かって見えるというものです。
陰影
ものの影によって立体感を把握しています。
重なり
手前のものが奥のものに重なって奥のものが隠れることを知っているので立体的に把握できます。
大きさ
手前にあればあるほど大きく見えるというものです。
進出色・後退色
赤い色は手前に見えて、青いものは後ろに下がって見えます。
トリックアートを描いてみよう
以上を踏まえて、トリックアートを描いてみましょう。
まず、両眼視差と運動視差は絵の中では表現できません。(右目用と左目用の絵を書けば両眼視差は表現できるでしょうが、少し難しいでしょう)

上のイラストは、福井駅の壁に描かれたもので、恐竜が飛び出して見えるようになっています。
この絵では、手前に来ている顔の部分程鮮明ではっきりしていて明るい彩色になっています。
反対に、奥側にある胴体部分は線は多いですが暗くて不鮮明です。
これは肌理勾配や焦点調節、進出色後退色を利用していると言えるでしょう。
また、壁よりも前に恐竜が描かれているのは、重なりを利用していますね。
そして一番効果が大きく感じられるのは、陰影によるものです。恐竜や壁の破片の影が描かれていることによって立体感を感じます。
このように、立体視の方法さえ踏まえれば、立体的に見える絵が描けます。

見るときのコツ
邪魔をしています。
片目を閉じて、動かずに見てみましょう!